クリエイティブな興奮
今回、出版の打ち合わせ場所は湘南。2日間の合宿。
うちの近くに、立派なカフェがあるのでそこでやろうということになった。
わたしたちは大抵15時に集まる。
座るやいなや
『デザインどうなりました?』
と言う私に、いつも由風出版の谷さんは
『まあまあ今日は長いですから』
このやり取りですら、
クリエイティブな本を作り上げるのに必要ですからといった笑顔を見せる。
谷さんとの打ち合わせはいつもこんな感じで始まる。
毎度、打ち合わせといっても、本の構成やデザインについて
話し合う時間は30分くらいで、長くて45分。
今回も15時に集合して、
さっそく直接的には関係のない話になった。
私『面白いことができる人間だと思われているのか、もはや私って冷めてるし、くそつまんない人間だと思うんですけど、最近よく無茶振りされるんです。そこにいるのが大人だけなら、素っ気なく言い返せるんですけど、子供がその場にいるととりあえず変な顔しちゃうんです。100発100中滑りますけどね。滑って恥ずかしいとかもないから、余計虚しいんですよ。それがかなりストレスで。』
谷さん『僕は何もしなくても、そんなわらさんが面白いですけど。』
そんな谷さんも書道家として
とてもアートな作品を作り上げている。
表現者が経済を作る難しさについて、
話をしてたら時計の針は17時。
飲み物がなくなり、カフェ&バーなんて
オシャレなとこだったので外国のビールを注文。
合宿の目的であるエッセイ選別をしようと
20分間タイマーをかける。
作家さんが日々どんな場所で、何を見て何を聞き
どんな日常を送っているのか一度は知りたいんです。
なので今回は湘南にお邪魔します!!!
と沖縄からはるばる来た谷さん。
かっこいい。彼こそクリエイティブだ。
世の中を無理やり一つにまとめあげている時計には尊敬する。
どんなに偉そうなやつの前でも、
どんなに慌ただしい組織にあっても、
一定にぶれることなく回り続ける。
そしてほとんどの人間は彼に合わせて生きる。
でも今回のような本の製作なんてときは邪魔になる。
一人ひとりに流れる時間は違うという
前提でいないと納得いくものは作れない。
だからまず、聞くもの見るもの触れるもの、
二人の内側に入ってくるものをより近づける必要がある。
ラジオの電波を合わせる感じ。
そしてはじめて、磨きのかかった表現になる。
おなかすいた。ということでうちで鍋をすることに。
その日は食うだけ食って飲むだけ飲んだ。
うちにテレビがないこと、音楽はクラシックを聞くということ、
一歩外に出れば情報だらけだから家の中はなにもない状態でいたいこと、
今人生でもっとも不自由のない中休みをしているということ、
いろいろ話ができた。かなりラジオの電波は合ってきたみたい。
翌日合宿2日目、朝起きるとクラシックが流れていた。
谷さん、あなた素敵です。
再びおしゃれなカフェで作業に4時間も集中し
今回やるべき決めていたことを全て終え解散した。
4月21日に原稿ができあがる予定だと言われて、
楽しみにしていた本ができあがるのにも関わらず、
すごく寂しくなった。
死ぬまで、何かうみだしていたい。と言った私に
『わらさん、クリエイティブだねー。』と教えてくれた。
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