お金は記憶を定着させる道具


『この電球の光で菊を育てるさぁー。』


今は使われていない島の空港に寝転んで
天然のプラネタリウムを見た帰り、
おっかぁと通った道には、

赤、黄、オレンジ、青、

静かに島の夜を照らす電照菊の畑。

海のように一面に広がっていた。



孫もいるのにパワフルなよーこねねに、
図々しくも、3日も泊まらせてもらい、
食事もたらふく食わせてもらったので、
何かお礼がしたくて、
電照菊の苗の植え付けを手伝わせてもらった。

日の出前、電照菊の光を頼りに作業開始。

少ししてから全身を朝日が包み込み、
体の奥まで温かい光を感じ気持ち良かった。


電照菊の苗は個性豊かだった。

 

葉はでかいくせに、根はもやしだから、
スカーフ巻いて白パンの裾ロールアップ
してるあの人みたい。とか笑

これは葉も根もしっかりしてるから、
あの人みたいだなーとか。


“人間も苗も一緒だなー。”

作業しながらそんなことを考えていた。


根がしっかりしてる苗は、
茎も太く、堂々としていて、
こいつなら台風がきても耐えて、
綺麗な菊を咲かすんだろうなぁ。


どんなに葉が大きくても、
根がひょろひょろしてる苗は、
きっと茎もすぐ折れるし、
風で一瞬でふっ飛ばされるんだろうな


と、素人の私が偉そうなこと思った。笑



根が四方八方にはっているというのは、
人間でいう丹田が下がっている状態。

根のない苗は、
まるで、丹田が頭に上がっている現代人。

(赤い部分が丹田)


現代人は、太くて丈夫な根をはらずに、
綺麗な葉を咲かせることに一生懸命である。


隣の人は、こんな花が咲いてるとか、
いい匂いがするとかしないとか、
虫が寄ってこないことを美と思い、
そんなどうでもいいことに人生を使う。




根がない苗に、プラスの言葉をかけても、
いくら高級な肥料や土を使っても
花が咲かないことは誰もが知っているのに


人間は、それと同じことを繰り返した結果
今この現実になっていることに気づいてない。
茎と葉だけの小さな苗を
ビニールハウスで栽培し、根を生やす。

根がついたら畑に植え付け、

伸びてきたら、新芽だけを採取し、
親菊の上の葉を残し下の枝葉を捨て、
茎を折り、枝わかれし花を沢山咲かす。

採取した新芽は、
ビニールハウスで栽培し、根を生やす。



最初も最後もない。



“りんごの種はりんごから出て、
りんごは木から生えて、
木はりんごの種から生えてくる
仙人の言葉を思い出す。

生き物には、はじまりもおわりもない

戻ることはそれが何なのかわかる



それを改めて確認できた。



人間も同じだ。

一人一人種がある。



自分だけの種を見つけ
花を咲かせることができる。
記憶のカケラを拾うように。


自分だけにしかできない

生き方、働き方、稼ぎ方が一致した現実を生きることができるんだ。



菊の種からは、
ハイビスカスは絶対に咲かないよね。


根をしっかり土にはった菊は、
根のないハイビスカスよりも、
生き物と共鳴する美しさがあるんだよ。


最初も最後もない。
戻ることがそれを知ること。




『ボブに畑手伝ってもらったら助かった』
そんな噂が島の一部に流れてしまい(笑)
毎日いろんな畑に出向き、
たくさんのおばあと、おじいと
日の出前から日の入りまで作業した。


たくさん学ばせてもらったのにも関わらず
『これは受け取らなきゃいけないよ』
帰り際、畑のおばあ達がくれたお金。

今まで見てきた“お金”ではなかった。


それはあたたかくて、一緒に過ごした時を
忘れられない記憶として刻んでくれた。



それぞれの畑のおばあとのぬくもりの記憶を、
忘れられないものとして残してくれる
勲章のような、チケットのような、
目印のようなものと想えた。


“お金は記憶を定着させる道具“


おばあたちから、
真の教育をこの体は学ぶことができた




星空笑海

宇宙人、地球二オリタツ。 ムイミデアルコトノトウトサヲツタエルタメ。

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