空に天井はない
朝10時、畑仕事を終え、
おばあが作ってくれたお弁当を食べて
軽トラで向かったのは美ら海。
電照菊やサトウキビ畑を抜けて、
やかましく鳴くヤギや鶏や牛を通り過ぎると
誰もいない海に薄っすら曇り空。
曇り空でも砂は細かくて白くて、
海はエメラルドグリーンだった。
砂浜を散歩していると、
ところどころに見つけた穴。
『うへー、おもしろーい』
海よりも穴に夢中になっていると、
ちょこんと出てきた透明な蟹。
見えるかな?
ちっちゃな穴からは、ちっちゃな蟹。
大きな穴からは、大きな蟹。
こんなに砂浜は広いのだから、
欲張って大きな穴にしたら快適だろうに。
蟹は体の大きさに合った穴を掘って生きていた。
あれもこれも求めて、
もがいている人間とは正反対だ。
❝人生はイス取りゲーム
奪われる前に奪ってしまおう
余分に確保しとかなくては❞
そんな人間を、鼻で笑ってそうなほど、
”この穴さえあれば生きていける”
というシンプルな光景に希望を感じた。
そもそも人間なんてものは、
地球に置かれた一つの情報端末で、
始まりもなければ終わりもなく、
記憶という情報場にアクセスして
観測し、選択し、連携しイマココに在る。
そして関係性は記憶でしかなく、
私を定義する鍵も関係性にあること。
だって、友達とか恋人であるとか
契約書があるわけでもないし、
朝起きて、自分が自分であることも、
昨日までの記憶の観測からうまれる。
そして私たちは誰一人として、
太陽エネルギーを作ってもなければ、
空気すら生み出せる生き物でもない。
まして、自分の臓器すら
自分の意思で動かせるわけでもない。
なのに、
地球は人間が支配しているかのような
事業やメディアや威張り散らしたあり様は
❝地に足で立つ❞
これがどういうことなのか
ここから教えていく必要がある。
関係性が記憶であり、
それは自分を表明する鍵なのだから、
過去という記憶を無視してる奴らに
今を生きるなんて無理な話なんだ。
この瞳に、切り取り線が映る人には
空に天井が見えているんだろーな。
空には天井なんかないのに。
世界最大と言われる美ら海水族館の
ちっちゃな魚と泳ぐ巨大クジラみたい。
ぼぶちゃんねる⇩
カニが教えてくれたこと
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